安部公房の最初期小説「天使」掲載 「新潮」約6年ぶりに増刷

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月刊文芸誌「新潮」12月号が、約6年ぶりに増刷するそうです。

先日、札幌市の実弟宅で見つかった作家・安部公房さんの最初期小説「天使」の全文が掲載され、
反響を見込んで、最初からいつもより多めの1万600部で発売しましたが、
それでも発売日から全国で売り切れが続出し、13日に4000部の増刷が決まったそうです。

「天使」は、終戦の翌年、1946年の秋に満州からの引き揚げ船の中で書かれたとみられていて、
精神を病んでしまった主人公が天使となって病室から抜け出し、妄想の中で天使の国をさまようという
内容の小説です。

原稿はA5判ノートに黒インクで縦書きされていて、全37ページ。
訂正の跡が少なく、清書とみられています。

安倍さんといえば後年ノーベル文学賞候補ともされた作家で、
実際、今年3月にはノーベル文学賞の選考を行うスウェーデン・アカデミーのノーベル委員会の
ペール・ベストベリー委員長が安倍さんについて、

「急死しなければ、ノーベル文学賞を受けていたでしょう。非常に、非常に近かった」
「三島由紀夫は、それ(安部)ほど高い位置まで近づいていなかった。
井上靖が、非常に真剣に討論されていた」

と、コメントして話題となりました。

不条理な世界を通して現代人が抱える不安や違和感をシニカルで論理的に描き、
大江健三郎さんらと並ぶ戦後の日本文学の旗手として知られていました。

死後、これだけたってから読者を増やし続けるというのは、
やはり偉大な作家さんだったんですね。

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